エダンズの教育ディレクター・上級出版コンサルタント トレバー・レーン博士が、皆さまの論文を校正する中で気が付いたよくある文法の間違いについて取り上げます。


第2回目は関係代名詞「whom」と「that」の使い方です。


次の4つの例文のうち、研究論文に最も適している文法はどれでしょう?

(1)The students who we interviewed were all postgraduates.

(2)The students that we interviewed were all postgraduates.

(3)The students whom we interviewed were all postgraduates.

(4)The students which we interviewed were all postgraduates.


訳:私たちがインタビューした生徒は全員大学院生であった。


「The students」と「were all postgraduates」の間の関係代名詞節が限定用法であると仮定しましょう。限定用法は、先行する名詞や節(この場合は「The students」)に特定の条件を付して限定します。ですから、「私達がインタビューした生徒」と名詞を限定すると同時に、「インタビューを受けなかった生徒」がいたことを示唆します。


研究論文に最も適している用法は例文3です。

(3)The students whom we interviewed were all postgraduates.


文を書き換えると「We interviewed the students」となるので、「students」は目的語に当たります。人に用いる目的格の関係代名詞は「whom」です。



例文2の「that」も間違いではありません。

(2)The students that we interviewed were all postgraduates.


「that」は目的格の関係代名詞ですので、限定関係詞節の「whom」の代わりとして科学論文でも使用されます。フォーマルな文章でない場合は、「whom」や「that」を省略してもよいでしょう。

例:The students [省略] we interviewed were all postgraduates.


関係代名詞の非限定用法の場合も同じルールが適用されます。

例:

  • 能動態:The students, whom/that we interviewed, were all postgraduates.

  • 受動態:The students, who were interviewed in this study, were all postgraduates.


非限定関係詞節は、先行する集合体の後ろにコンマを置いてから書かれます。名詞や節に補足情報を加えるだけで限定はしません。つまり「生徒は全員インタビューされた(インタビューされたなかった生徒はいない)」ということが示唆されます。



例文1は口語的には許容されていますが、研究論文にはふさわしくありません。

(1)The students who we interviewed were all postgraduates.


「who」は人に対して用いられる主格の関係代名詞です。つまり文を書き換えたときに主語となる必要があります。

例:

  • 能動態:The students who asnwered our interview - 「The students answered our interview」

  • 受動態:The students who were interviewed in this study - 「The students were interviewed in this study...」



例文4は文法的に間違っています。通常「which」は非限定用法で人以外(モノ)の主格に用いられます。前述したように「students」は目的語で人を意味しますので、「which」は使うことができません。

(4)The students which we interviewed were all postgraduates.


モノに対して非限定用法で「which」を用いる場合はコンマが必要です。

例:

  • コンマ2個: The replies, which came from five students, were studied.

  • コンマ1個: We studied the replies, which came from five students.


どちらの場合も、5人の生徒以外からの回答はなかった、ということを示唆しています。



【Quick Tip】どちらが正しいでしょうか?

  • A similar (1) principle / (2) principal applies for non-defining relative clauses.


どちらの単語も「プリンシプル」と発音されますが、文脈から「ルール」を意味する(1)が正しいことがわかります。単語の見分け方は以下を参考になさってください。

  • (1)principle: 類義語の「rule」と同じで「-le」でスペリングが終わっています。ルールを意味するプリンシプルは、「-le」で終わるほうです。

  • (2)principal: 文通友達を「ペンパル」と呼びます。単語の「pal」は、友達、相棒、仲間など、人を意味します。組織のトップ(人)を意味するプリンシプルは「ペンパルのパルで終わるほう」と覚えてください。(Principaleは、このほかに元金(名詞)、主要な(形容詞)という意味も持ちます。)



Language tips prepared by Dr Trevor Lane, Education Director & Senior Publishing Consultant, Edanz Group