エダンズの教育ディレクター兼上級出版コンサルタント トレバー・レーン博士が、皆さまの論文を校正する中で気が付いたよくある文法の間違いについて取り上げます。


第1回目は関係代名詞「that」と「which」の使い方です。


次の4つの例文のうち、研究論文に最も適している文法はどれでしょう?

(1)The replies which came from five students were transcribed and translated.

(2)The replies that came from five students were transcribed and translated.

(3)The replies, which came from five students were transcribed and translated.

(4)The replies, which came from five students, were transcribed and translated.



これらの文を簡単に訳すと「5人の生徒から集めた回答は文字に書き起こされて翻訳された」です。


例文は「The replies」と「were transcribed and translated」の間に関係代名詞節を含んでいます。この節は動詞を含み「that」や「which」の関係代名詞でつなぐことで、先行する名詞(The replies)を詳しく説明しています。


もし先行詞(The replies)についてより明確に述べたいのであれば、「that」を使用しましょう。例文2の「The replies that came from five students」は先行詞を5人の生徒の回答のみと限定する一方、5人の生徒以外(例えば、他の生徒たち)からの回答もあったことを示唆します。これを関係代名詞の限定用法といいます。


例文4の場合、関係詞節「which came from five students」は2つのコンマで挟むことで先行詞についての単なる補足の説明となります。そのため、文全体の意味を変更することなくコンマで挟まれた関係詞節を省略することが可能です(The replies…were transcribed and translated)。これを関係代名詞の非限定用法といいます。つまりこの文章を書いた人は「The replies」について5人以外の回答はなかったことを示唆します。


例文3は非限定用法ですが、2つ目のコンマがありません。正しい形の非限定用法にするためには例文4のように2つのコンマが必要ですが、下の例のように「which」の前にコンマをつけた節を目的語のすぐ後または文章の最後にもってくることで、一つのコンマでも非限定用法が成り立ちます。

例:We transcribed and translated the replies, which came from five students.

学術論文には、内容によって例文2と4の用法を使い分けると良いでしょう。例文1を例文2とを同じ用法として使用してる方がいるかもしれませんが、例文1は厳密にいうと例文2と4(限定用法と非限定方法)のどちらの意味にも取れてしまいます。著者の意図が曖昧になる可能性があるため、使用は避けるべきです。



【Quick Tip】どちらが正しいでしょうか?

We need to (1) practice / (2) practise deciding between “that” and “which”.


どちらの単語も同じ発音(プラクティス)です。イギリス英語の場合 (1) practiceは名詞で(2) practiseは動詞として使用されるため、(2)が正解です。一方アメリカ英語の場合、(1) practiceは名詞・動詞の両方で使えるため (1) practiceを使用するべきです。どちらの英語を使用するべきか投稿規定を忘れずに確認しましょう!



Language tips prepared by Dr Trevor Lane, Education Director & Senior Publishing Consultant, Edanz Group